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◇土肥けんすけ 駄々漏れ追記◇     

◎∈∞∋漫画描きの土肥けんすけの雑記やエッセイ∈∞∋◎

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短編小説『抜け殻』 第1回(全8回)
☆あらすじ。
---------------------
どこかで適当に死んだ「彼」の友達の
僕と坂口は、それはさておき「彼」の部屋に
誰もいないのを確認しに行く。
理由は特に無いのだった。

※なんとない日常の、ほんの少し奇妙な短編小説
全8回。
---------------------

知らない所、どこか離れた所でごくごく普通に彼は亡くなった
ようだった。詳しくは知らない。

ともあれ。それを知った僕ら二人が、いつもの駅前で
あーあー、よぉ。
「おお、二日ぶりやなー」
と落ち合って彼の部屋に向かったのは、まだ当日の夜のうち
だったと思う。

彼のアパートに着いてキーを差し込む時、坂口はちょっと手を
止め別に言い訳でも無いのだろうが
「ああ、ほら。あいつから預かったままやったろ・・・鍵。おととい
ランドリー行った時」と、ちょい首をこちらに傾け言った。

そう・・。坂口は彼の鍵を預かっていた。かける時はかけるが、
施錠しない時は一切しない彼は、几帳面さと猥雑さが入り混じり
つつそれがうまく同居しているような所があった。
だからこそ、今回のように(次回は無いが)なんだか知らない
遠くでいきなり死ぬという離れ業をしながらも、結局は語ることも
ない普通の死に方であるという、こちらにしてみれば大きな口を
開けたまま声帯を震わすことも無く、静かに閉じるしかない状態も
実に
「彼らしい・・」と言えるのだった。

この部屋に遊びに来た先日、外食ついでにランドリーの大洗濯機に
大量の服を突っ込もうとした彼は、洗濯カゴからコロリと鍵が
出てきたのを見つけ、ポケットのないスウェットで手に持ってる
のも鬱陶しい・・と坂口に預けたのだろう。

彼は洗濯ネットを使っており色物とか分けていたけれど、そのくせ
ドライ表示もただの気休めと一切関せずに、ぐいぐい突っ込んでいた。
僕は、横目で数週間前の青年誌をパラパラさせながら洗濯機に
寄りかかりそれを見ていた。
何も言わなかった。
結局の所、着るのは彼なのだ。だからそれでいいと思った。

あの日・・・。おまえが彼の食事代出したのだっけか。
と、僕は坂口に言う。
「ポケット無い服でなぁ、食事代どうする気だったかと言いたいわ。
最初っから貸りる気ぃやったわあれは。まぁ、あいつの来月の
バイト代から―・・は・・うー、無理か。」一つため息をつくと
坂口は鍵を開けた。

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